初めての東宝ミュージカル

このブログを始めたのはいいものの、全然観劇した感想とか何も書いてなくてずっと放置してたのを反省。

ちゃんとした感想を書いたのはまた逢おうと竜馬は言っただけ。なんと驚き。

それ以外にもローペースながら推しの俳優(陳内将さん)を追いかけたり、推しの演出家(末満健一さん)を追いかけたりしてました。

あと、三年くらい前から毎週欠かさず戦隊を見てるんですけど、ゴバスを越す勢いでルパパトにハマってしまって、とうとう東映特撮FCに入りました。毎月千円が自動的に手元から消えていく事実は、なるべく直視しないようにしてます。




どうでもいい話が長くなりましたが、1789-バスティーユの恋人たち-を観劇しました!

博多座での大千秋楽だったんですが、それにしてもやはり感想を書くのが遅い。

書こう書こうと思って、今ようやくです。


今まで、私は帝劇ミュージカルと括りにされる作品があまり好きではなかったです。

なんというか、言語化が難しいんですが、帝劇作品ってフランス革命周辺の作品が多いじゃないですか。

以前、推しが出ていたので蜷川幸雄氏演出の彩の国シェイクスピア作品を幾つか見たことがあるんですが、単調なストーリーにひらべったい印象を受けるような内容で、あまり好きだと思えず。

その後別の推しが出演していた別氏演出による十二夜を見たけどやはり同じような感想を抱き、きっと私にはシェイクスピア作品およびこの時代の作風は合わないんだなと思ったので、帝劇ミュージカルは敬遠していました。あとお金かければいいじゃん!!みたいなこと思ってそうな偏見。





まあ、そんなわけで今まで機会があってもなかなか足を運ぶまでには至らなかった帝劇ミュージカル(というか、東宝制作)を同僚に誘われて博多座まで観にいきました。



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推しが出ているわけでもなく、好きな脚本家や照明さんが携わっているわけでもなく、時代なんか寧ろ苦手だと思っていたフランス革命時代のストーリーなわけでして。

観終わったあと同僚に感想言わなきゃいけないから、セリフとかシーンとかちゃんと覚えとかなきゃな〜くらいの気持ちで椅子に座りました。











びっくりした。









1幕が終わって休憩中、まさかこんなに面白いとは思わなくて、一緒に喫煙所に行った同僚にずっと「え、え、めっちゃ面白いな。え、え?????え?????」と語彙力がないことをずっと言ってました。いや本当びっくりした。

ロナンのお父さんが撃たれてパリに出て、と思ったらなんかマリーアントワネットがめちゃくちゃ派手な登場してきて、ところでそのテントウムシとマリーアントワネットのこと目の敵にしてるこの男だれやねん。ロナンはロナンで、仲良くなった革命家が最近娼婦の恋人に首ったけなんだってよ!って話してたらその恋人が自分を追って村を出てきた妹で、と。最初の方に情報詰め込みすぎていて、まだ世界観に完全に入り込めていないうちから渡される膨大な情報量に、うわあ観客置いてけぼりな作品だなと思っていたんですよ。

ここまで30分くらいしか経ってないんじゃないかな?体感的には15分くらいしか経っていない感じもあったけど。冒頭の置いてけぼり感は結構つらかったです。

同僚はすでに一度他の友達と観ていたらしく、めっちゃ面白いから観て!!とゴリ押しされて来ることになったから、このときの私は必至にせめて何かいいところを見つけようと身を乗り出して観ていました。

面白くないから身を乗り出すってのも変な話だけど、本当だから仕方ない。




と、思っていたらですよ。

いたんですよ、彼らが。


三浦涼介と上原理生。


他の方のブログを見ていたら三浦くんをべた褒めしている方が多くて、私も分かると首がもげるくらい頷きながら他の方のブログを読んでいました。

ダンスが上手い、歌が上手い、お芝居もうまい、顔もいい、スタイルもいい。

ええ、この人神様に愛されすぎちゃう……???


これまでにも、ミュージカル黒執事のサーカス編やグランギニョルで三浦くんの活躍を見る機会があったんですが、いずれもお芝居が上手な子だなあくらいの感想で、特に私の中に爪痕が残ることはありませんでした。

今回も劇場について三浦くんのノボリを見つけて、あ、三浦くん出てるんだ。くらいの気持ちでした。

私が馬鹿だった。

この人、こんなについつい目で追いかけちゃうくらい存在感がある人でしたっけ??

私が今まで見てきた三浦涼介ではなかったです。初の東宝作品ということで彼の中で何かがあったのか、それともロベスピエールという役が彼にハマっていたのか分からないんですが、すっごいんですよ。すっごい。マジで。

二階席でオペラグラスもやっすいやつだったんで、ようやく三浦くんだと視認できるくらいだったから余計言語化が難しいんですけど、観たらわかる。

気が付けば目で追ってる。

三浦くんのロベスピエールに引き込まれる。

意味が分からない。マジで。


同僚と話を合わせるために、唯一知ってる三浦くんを追いかけてるのかなって始めは思ったんですけど、そういう理屈じゃないんです。

存在感がずば抜けてるんですよ。

あれ第三身分とか嘘だろ。歩き方とか、まっすぐ伸びた姿勢とか、話し方とか、あれ貴族やん。フラ家の人ですやん。


あと、三浦くんあれカツラですよね??

地毛って言われても納得するくらいお顔に馴染んでる。凄い。

三浦くんフランス作品似合う。一人だけお顔の説得力が違う。


取り敢えずDVD予約したんで、届いたらこの三浦くんへの情熱の正体をきちんと見つけたいです。



それと、先にも挙げました上原理生さん。

既に記憶が朧気なんですが、上原さんが初登場はパレ・ロワイヤルのところで合ってますかね……?

上原さんが出てきてすぐの歌唱。



べらぼうにええ声の人が、べらぼうにうまい歌で頭ぶん殴ってきた。



普段あまり音楽を聴かず、音楽の良し悪しも分からない私が、初めて人の声というものに惚れました。

それくらい勢いよく耳から脳みそをぶん殴られたような衝撃を受けて、観劇後調べてみたら声楽科をご卒業されてこれまでも数々のミュージカル作品にご出演されているとのことで、納得の実力だと思いました。

売店で上原さんのブロマイドとファイルを見つけて、「この人何者なんや」と同僚と二人で笑って本当に申し訳ない。あのあとじわじわ上原さんの歌に体を侵食されて、アルバムCD買いました。FC入ります。


好きな役者のタイプとしては、セリフにはない背景を観客に感じさせる人が好きなんですが、上原さんはそれとは逆の人だなという印象があります。

なんていうか、ピッチャー振りかぶって、投げたーー!!!!!って感じのお芝居。

まっすぐなお芝居をされる印象です。

そう、私の好きなタイプとは真逆なんです。あのダントンの背景とか全く分からん。酒と女が好きっていうのもあとからインタビュー読んでそんな人だったんだと知りました。舞台の上からじゃ全く分からんかった。豪快な男っていう感じはする。

(反して、三浦くんのロベスピエールは神経質で冷酷な部分が伺えて、ラストシーンから史実へのロベスピエールに繋がるんだろうなというのが凄く伝わってくる。好き)


そんな上原さんをどうしてアルバム買ってFC入るくらい好きになったかって、もう本当簡単な理由で、誰よりも歌が上手いし、その歌の説得力が違うからなんですね。

先に言ったように音楽に疎い上に音痴な私だからここの歌い方が!とか、ここの声が!とか言えないんですが、そんな私がこの人だけ別の次元で歌ってるって思いました。

初めて歌に頭ぶん殴られた。

この曲好きだな〜っていうのは今までに何回かあっても、ぶん殴られたのは初めてです。

本当、もう、終わった後も同僚がずっと三浦くんの話をしているなか、壊れたラジオのように「分かる。あそこの三浦くんよかったよね。ところで、上原さんが」と話していました。




今回の1789では、今まで全くノーマークだった三浦くんの魅力に振り回され、初めて上原さんの声に脳みそぶん殴られる体験をして、きっと今まで通り東宝作品を敬遠していたらきっとこの衝撃に出会うことはなかったんだろうなと思います。誘ってくれた同僚、本当にありがとう。



キャストの話が長かったですが、DMX機材を使わず殆ど一般照明でやっていた照明さん、大楽では三浦くんのマイクにアクシデントが起こったものの、一切もこもこする感じがなくキャストの歌声と音がちょうどいいバランスを取っていて一貫して聞きやすかった音響さん、おまっそこ降りてくるんかい!と迫力満点な仕掛けを作っていた大道具さん(美術さん?)

帝劇作品のテクニカルスタッフ強すぎ……と震えました。

でも、マリーアントワネットとフェルゼン伯爵が真剣な話をしてるのを、隅の方でじっと聞いてるオランプちゃんにはピンいらないんじゃないかなと思いました。セリフないし、動かないし、そっちが気になってなかなか二人に集中できなかったです。どうしても入れるにしても、もうちょっと照度下げてよかったと思う。


楽曲は耳馴染みのいいテンポが多く、バラードがあまり好きじゃない私は殆どの曲を楽しく聴けました。

youtubeに上がってる歌唱発表やプロモーション映像、フランス版1789などを繰り返し聴いてます。次の給料日にCD買う。


ストーリーとしてはストーンと落ちていったような印象を持ちました。

これは、今まで見てきたシェイクスピア作品と同じ印象で、特に最後の方は駆け足気味だったなと。

なんていうか、ストーリーが面白いのではなく役者と楽曲で観客をぶん殴るスタイルだなと思いました。




とりあえず、今月9月のマリーアントワネット観劇に行きます。

有毒少年に出演していたときから気になっていた昆夏美ちゃんを、初めて生で観てきます!

楽しみ!!!

夏美ちゃんいつのまにか帝劇女優になってて、実写映画美女と野獣の吹き替えをしていたときはマジで驚きました。

蛇足ですが、いつか田村芽実ちゃんには帝劇に立ってほしい。できればレミゼに出演して、エポニーヌを夏美ちゃんとやってほしい。



それでは、長々とお付き合いいただきましてありがとうございました!!!



P.S.いつか陳内将さんにペイロールさんを演じてほしいです。

絶対ハマり役だと思うんだ。